鉄道風景ジオラマ製作記

●鉄道風景ジオラマを作ってみたいが、なかなかうまく作れない。
そんな悩みのある方に、ご参考になればと思い、当工房で製作している方法を基準にしてご説明させていただきます。


今回製作するジオラマの見本
1.情景を決める
 最初に作りたい情景を決めます。実際に存在する気に入ったシーンの場合は、いろいろの角度からの写真を集めます。
近場でしたら、実際に出向いて写真を撮ります。
 ジオラマは立体的な情景ですので、なるべく多方面から撮ります(平面的な絵画と違い、ジオラマは立体的ですので)。
 なお、想像の世界でのこうありたいと思う情景作りでしたら、随時修正することにより、自然と立体シーンが出来上がってくるものです。
やはり、実風景のジオラマ化が一番苦労し、難しいです。
2.台座を作る
 これから作るジオラマのサイズは、収納する上で大切です。サイドボードの中に飾るのか、サイドボードの上にケース付
で飾るのかによって、決めましょう。また、車両を走行することができるレイアウトの一部として活用する場合は、そのことも考えて決めましょう。
 今回、製作するジオラマのサイズは、幅45㎝、奥行⒗㎝です。台座の高さは3㎝にしました。あまり低くても安っぽく見えますし、高すぎても情景が
台座に負けてしまいます。
 今回の台座は、幅45㎝、奥行⒗㎝、高さ3㎝にて4辺の枠を作り、その上に厚さ2㎜程度のべニア板を張りました。






台座
3.型紙を作る
 ジオラマ化しようとする情景が決まりましたら、前後左右端の情景枠を厚紙で仮製作いたします。
 たとえば、トンネルが必要でしたら左右どちらにするのか、線路の高さ(車両を置く高さ)は、どの程度が良いのか、道路の
位置は、川が必要の場合幅はどの程度か、鉄橋の形は、長さは等々、ある程度決めて、それに基ずく前後左右端の枠を
厚紙で仮製作いたします。仮製作した厚紙を台座の四隅に立てかけて全体の情景基礎を想定し、型紙の修正をします。
  厚紙で仮製作   製作に使用する工具の一例


★第2回
4.本型を作る
 厚紙で仮製作した枠の調整が終わりましたら、べニヤ板(厚さ3~4㎜)に型紙をあてて、木枠を作ります。特に台座と接する部分は、隙間のできないように丁寧にカットするか、または購入したベニヤ板の四面カット部分を利用します。

5.木枠を台座の四面に貼る
 切り抜いた木枠を台座の四面に貼る。
 強度を保つためと、トンネル台や道路台を貼る足台として補強材をあてる。


6.トンネル台、道路台、橋台等の張り付け
 トンネル台、道路台、橋台等を張るため、木枠四面に合わせてベニヤ板(厚さ2㎜程度)で構想の形に切込み張る。トンネル台には、補強の脚を貼る。トンネル台は線路台としても使用します。

本型を作る

木枠を台座の四面に貼る

            
     木枠を台座の四面に貼る               トンネル、道路、橋の台の切込み               各種台の取り付け                             

7.アーチ橋とトンネルの製作
 このジオラマでは3連アーチ橋を作ります。左右のトンネルと線路台の距離を測り、橋げた設置部分を4か所を
除いた長さを三等分にしてアーチ型に切りこみます。アーチはコンパスを使って作りますが、瓶のふた等合うもの
があればそれを使っても良いでしょう。

 トンネルは、模型メーカーのものでもよいのですが、自分で作ってみましょう。メーカー品を型紙
にして厚紙やベニヤ板で作ります。

次回に続く(2月下旬)